
投資信託は、分散投資や専門家による運用を手軽に始められる金融商品ですが、投資信託を購入する際には手数料が発生します。
これらの手数料は、長期的な運用において意外に大きな影響を与えることがあります。
今回は、投資信託にかかる手数料の種類と、それが投資成果にどのように影響するのかについて解説します。
1. 投資信託の手数料の種類
投資信託にかかる手数料は大きく分けて3種類あります。それぞれの手数料の内容をしっかり理解しておくことが大切です。
1.1. 購入時手数料(販売手数料)
購入時手数料は、投資信託を購入する際に支払う手数料で、購入額に対して一定の割合でかかります。
例えば、購入金額の1.5%などが一般的です。この手数料は、証券会社や販売会社が取るもので、購入時に一度だけ支払うことになります。
1.2. 信託報酬(運用管理費用)
信託報酬は、投資信託が運用されている間、年間でかかる費用です。
運用会社や販売会社に対して支払われるもので、年間の運用資産額に対して一定の割合(例えば0.5%~1.5%)がかかります。この手数料は、毎年運用中に発生し、基準価額に組み込まれているため、投資家が直接支払うことはありませんが、最終的には投資成果に影響を与えます。
1.3. 解約手数料(販売手数料)
一部の投資信託では、解約時に手数料がかかる場合があります。
これは主に「買い付けから一定の期間内に解約した場合」に発生します。一般的に「短期売買防止」のために設けられており、解約時にかかる手数料はその投資信託によって異なります。
2. 手数料の影響
投資信託の手数料は、投資家の運用成績に大きな影響を与える可能性があります。
特に長期投資においては、手数料が投資成果にどれほどの影響を及ぼすかを理解しておくことが重要です。
2.1. 手数料が高いと運用成績にマイナス影響
手数料が高い投資信託は、長期的には運用成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、信託報酬が1.5%の投資信託は、信託報酬が0.5%の投資信託に比べて、同じ運用成績でも最終的に得られる利益が少なくなります。
特に、長期的な投資では、手数料が積み重なっていくため、注意が必要です。
2.2. 購入時手数料と信託報酬のトータルコスト
購入時手数料と信託報酬を合わせたトータルコストを確認することが重要です。
例えば、購入時に1.5%の手数料がかかり、その後年1%の信託報酬が発生する場合、最初の年からコストが積み上がり、運用成果に影響します。長期的には、このコストの影響が大きくなるため、低コストの投資信託を選ぶことが賢明です。
3. 手数料が低い投資信託の選び方
手数料を抑えるためには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか?
3.1. 手数料が安いインデックスファンドを選ぶ
インデックスファンドは、特定の株式指数に連動した運用を行う投資信託です。
アクティブファンドに比べて運用コストが低いため、手数料が安いことが多いです。特に、インデックス型の投資信託は、信託報酬が低い場合が多いため、長期的な運用を考えると非常に有利です。
3.2. 購入時手数料のかからないノーロードファンドを選ぶ
購入時手数料がかからない「ノーロードファンド」も選択肢として有力です。
ノーロードファンドは、購入時に手数料がかからないため、その分初期投資が効率よく運用されます。
販売会社によっては、ノーロードファンドを取り扱っているところもあるので、購入時に手数料が発生しないものを選ぶと、長期的なコスト削減になります。
4. まとめ
投資信託の手数料は、短期的には目立たなくても、長期的には大きな影響を与えることがあります。
信託報酬や購入時手数料、解約手数料の種類とその影響を理解し、コストを抑えた運用を心がけましょう。
特にインデックスファンドやノーロードファンドを選ぶことで、低コストで投資信託を運用することが可能です。
次回【第47回】では、「投資信託の選び方と運用戦略」について詳しく解説していきます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます!