投資信託は手軽に投資を始められる金融商品ですが、リスクが全くないわけではありません。
今回は、投資信託におけるリスクを理解し、それに対処するための方法について解説します。
1. 投資信託における主なリスク
投資信託は分散投資が特徴ですが、それでもいくつかのリスクがあります。
リスクを知ることで、適切に管理し、長期的に安定した運用を目指すことができます。
主なリスクの種類
市場リスク（価格変動リスク） 市場全体の動向や経済状況の影響を受けて、投資信託の基準価額が変動するリスクです。例えば、株式市場が下落すると、株式型投資信託の価格も下がることがあります。 信用リスク 投資信託が保有する債券や株式の発行者が倒産するリスクです。これにより、元本や利息が支払われなくなる可能性があります。 流動性リスク 投資信託が扱っている金融商品に流動性が低いものが含まれている場合、売却が難しくなったり、価格が予想以上に下がったりするリスクです。 金利リスク 金利の上昇や下降が投資信託の基準価額に影響を与えるリスクです。特に債券型の投資信託では金利の変動が大きな影響を与えます。 為替リスク 海外資産を投資対象とする投資信託では、為替レートの変動により、投資信託の価値が上下するリスクがあります。円高になると外国資産の価値が目減りする場合があります。
2. リスク管理の基本
投資信託のリスクを完全に排除することはできませんが、適切なリスク管理を行うことで、リスクを最小限に抑えることは可能です。
リスク管理の基本
分散投資 投資信託の最大のメリットは、分散投資を行えることです。異なる資産クラス（株式、債券、不動産など）や地域に分散することで、リスクを分散できます。 ポートフォリオの調整 自分のリスク許容度や投資目的に合わせて、ポートフォリオを調整します。例えば、リスクを抑えたい場合は、株式型よりも債券型を多めにするなどです。 定期的なリバランス 時間が経つと、ポートフォリオ内の資産配分が偏ってしまうことがあります。定期的にリバランスを行い、初期の目的に沿った配分に戻すことが重要です。 長期投資 投資信託は長期的に運用することを前提にした商品です。短期的な市場の変動に惑わされず、長期的な視点で投資を続けることがリスクを減らすための鍵です。
3. 投資信託を選ぶ際のリスク確認
投資信託を選ぶ際には、リスクを理解し、適切な商品を選ぶことが重要です。
以下の点に注意して、リスクを確認しましょう。
選定時のポイント
運用方針とリスクレベル 各投資信託は運用方針が異なり、それに伴ってリスクレベルも変わります。例えば、株式型投資信託はリスクが高く、債券型は比較的リスクが低いです。自分のリスク許容度に合った商品を選びましょう。 過去のパフォーマンス 過去のパフォーマンスが今後の運用結果を保証するわけではありませんが、過去に安定したパフォーマンスを出している投資信託は、比較的安心して投資できます。 運用報酬や手数料の確認 投資信託には運用報酬や手数料がかかります。これらのコストを確認し、コストに見合ったパフォーマンスが期待できるかを検討しましょう。
4. リスク管理のためにできること
実際に投資信託を活用する際には、以下のようなリスク管理方法を実践することが重要です。
実践的なリスク管理法
積立投資の活用 定期的に一定額を積み立てることで、価格が高い時と低い時に均等に投資できます。これにより、価格の変動によるリスクを軽減できます。 分散投資の徹底 投資信託のポートフォリオ内で、資産クラスや地域の分散を意識して投資します。特に、株式型と債券型を組み合わせることで、リスクを分散できます。 情報収集と定期的な見直し 投資先の市場動向や経済状況を定期的にチェックし、必要に応じてポートフォリオの見直しを行いましょう。
5. まとめ
投資信託はリスクを完全に排除することはできませんが、分散投資や定期的なリバランスを行うことで、リスクを抑えながら長期的に運用を続けることが可能です。
自分のリスク許容度を理解し、適切なリスク管理を行いながら投資を進めていきましょう。
次回【第46回】では、「投資信託の手数料とその影響」について詳しく解説していきます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます！
