PR
投資

【第33回】ETFのリバランス方法とその重要性

投資

ETF(上場投資信託)は、手軽に分散投資ができる優れた金融商品ですが、運用中に放置するだけでは最適なポートフォリオを維持できないこともあります。

そこで重要なのが「リバランス」という作業です。

今回は、ETF運用におけるリバランスの具体的な方法と、その重要性についてわかりやすく解説します。

1. リバランスとは?

リバランスとは、資産配分を元の目標比率に戻す作業を指します。

例えば、株式50%・債券50%で運用を始めた場合、株価の上昇で株式の比率が60%に増えたとします。

このとき、株式を一部売却し、債券を買い増して、再び50%・50%に戻すことがリバランスです。

目的はリスク管理とリターンの安定化です。

資産クラスごとに成長スピードが違うため、リバランスを怠るとリスクが想定以上に偏ってしまいます。

2. なぜリバランスが重要なのか?

2.1 リスクの適正管理

リバランスをせずに放置すると、株価が大きく上がった時に「株式偏重型ポートフォリオ」になり、下落局面で大きなダメージを受けるリスクが高まります。

リバランスを行うことで、リスクの偏りを防ぎ、安定的な運用が可能になります。

2.2 投資効率の最大化

リバランスは、高くなった資産を売り、安くなった資産を買い増す行為でもあります。

これにより、結果的に「安く買って高く売る」動きを自然と促進でき、長期的なリターン向上にもつながります。

2.3 感情に左右されない運用

市場が好調なときほど欲が出て、下落時には不安になりますが、リバランスのルールを守ることで、感情に振り回されない運用ができます。

冷静な資産管理のためにもリバランスは重要です。

3. リバランスの具体的な方法

3.1 年1回の定期リバランス

最も一般的な方法は「年に一度、資産配分を確認し、ずれていれば元に戻す」やり方です。

確定申告や年末年始など、毎年決まった時期にリバランスするのがおすすめです。

3.2 乖離率リバランス

「最初に決めた資産配分から、例えば±5%以上ずれたらリバランスする」という方法もあります。

日々のチェックは不要ですが、大きな変動があったときにだけ対応する形です。

3.3 積立時にリバランス

毎月の積立投資で少しずつバランスを調整していく方法です。

新たに買い増す資金を、目標配分に合わせて振り分けることで、売却せずにリバランスができ、税金の発生を抑えるメリットもあります。

4. リバランスの注意点

4.1 売却益にかかる税金

リバランスでETFを売却する場合、利益が出ていれば譲渡益税(20.315%)がかかります。

売却に伴う税負担を意識し、できれば積立時リバランスなどの工夫で売却を最小限に抑えましょう。

4.2 手数料

リバランスのための売買には、証券会社の取引手数料がかかる場合があります。

最近は手数料無料化が進んでいますが、特に海外ETFでは為替コストにも注意しましょう。

5. まとめ

ETFを使った資産運用では、リバランスが成功のカギを握ります。

リスクを適切に管理し、長期的に安定した資産形成を目指すためにも、年に一度はポートフォリオを見直す習慣をつけましょう。

感情に流されず、機械的にリバランスすることで、より確実な投資成果が期待できます。

次回【第34回】は、**「ETFと投資信託の違いを徹底比較」**についてわかりやすく解説します。

引き続き、よろしくお願い申し上げます!

タイトルとURLをコピーしました