
はじめに
「実際は働いてないけど、名前だけ貸してる」
そんな話を聞いたことはありませんか?
それ、もしかすると**“名義貸し”**かもしれません。
特に訪問リハビリや通所リハの現場では、制度の抜け道のように使われている名義貸し問題が今もなお存在しています。
この記事では、名義貸しの実態と、それがなぜ新人や若手に押しつけられやすいのかを掘り下げていきます。
名義貸しとは?
「名前だけ使われて、実態はない」状態のこと。
- 実際には月1回しか行ってないのに、週5勤務の名義になっている
- 書類上は管理者だけど、何の関与もしていない
- 訪問リハやデイサービスで“勤務してることになっている”けど、現場に一度も行ってない
→ これ、保険請求上は不正になることもあります。
ロリポップ!
なぜ名義貸しが行われるのか?
- 法令上「常勤の有資格者」が必要
- でも人が足りないから、形だけ揃えようとする
- 立ち上げ間もない法人が、制度だけ通したい時にも使われる
つまり、制度をすり抜けるためのグレーな手段です。
名義を貸すリスク
- 不正請求の一部とみなされる可能性あり
- 自分が知らない間に違反の当事者にされる
- 万が一問題が発覚した場合、返還請求や業務停止などの責任を問われることも
→ キャリアや信用を失うリスクすらあるのが、名義貸しの怖さ。
「でも実際、断れないんですよ…」
名義貸しの話を聞くと、多くの人がこう言います。
- 「上司に頼まれて…」
- 「先輩に恩があって断れなかった…」
- 「就職したばかりで、逆らえる空気じゃなかった…」
現場には、断れない“空気”と“構造”があるんです。
なぜ断れないのか?
- 上下関係が強い職場文化
- 人間関係や恩義による圧力
- 新人で知識がなく、判断がつかない
- 言われた時点で既に書類に名前が書かれていた
→ このように、断るための準備すらさせてもらえない状況が多く存在します。
どうすれば断れる?
■ 時間を稼ぐ
「少し考えさせてください」「家族に相談します」など、即答しない勇気を。
■ 第三者に相談する
同期、信頼できる先輩、外部のリハ協会や労働基準監督署などに相談を。
→ 一人で抱え込まないのが大切。
■ 契約や勤務状況を自分で確認する
→ ちゃんと実働と契約が一致してるかを確認しよう。
それでも断れない時は?
それは、職場を変えるタイミングかもしれません。
断れない文化に染まる前に、あなたの信用と未来を守る選択を。

まとめ
名義貸しは、ただの“グレーな抜け道”ではありません。
巻き込まれたセラピストが、自分のキャリアを失うことすらある問題です。
でも、現場では「断れない」というリアルがある。
だからこそ、知識と準備、そして相談できる環境づくりが必要なんです。
新人PT・OTの皆さん、どうか自分の名前と未来は自分で守ってください。
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